■使用開始は
上顎乳前歯の萌出が開始したらフッ化物配合歯磨剤の使用を開始する。
◇この時期は寝かせみがきで保護者がすべての歯を磨くため、少量使用で有効性を保てる950ppmF濃度の泡状、または液状のフッ化物配合物歯磨剤、あるいは500ppmF濃度のジェル状フッ化物配合歯磨剤の使用が奨められる。
◇歯磨き剤量は0.1g程度まで(萌出乳歯数により変化させる)とする(図−A)
◇シングルブラッシング法かダブルブラッシング法のいずれかを選択する。
◇終了後にはフッ化物配合歯磨剤の残余物軽くふきとるか、1回洗口させる。
■3歳になれば
3歳以降になったらペースト状(ソフトペースト、練り状)フッ化合物配合歯磨剤の使用を開始できる。
◇ペースト状フッ化物配合歯磨剤の使用は、歯磨剤を飲み込まずに歯磨ができ、終了後に吐出洗口できる能力が備わった子どもに限定し、かつ仕上げみがきは子どもを立たせて行う方法を推奨する。
◇したがって、能力によっては泡状、液状、ジェル状のフッ化物配合歯磨剤の使用を継続してもさしつかえない。
◇この時期は、子どもが練習みがきをしてから保護者が仕上げみがきをするため、その両方でフッ化物配合歯磨剤を使用できる。
◇ペースト状歯磨剤の量は、エンドウ豆大(0.25g)を目安に保護者が歯ブラシ上に準備する(図-B)
◇歯磨剤のフッ化物濃度は、フッ化物応用などからのフッ化物摂取総量とう蝕リスクを考慮して、500〜1.000ppmとする。
◇歯磨途中の吐出は自由にさせ、終了後に10〜15ml程度の水を口に含み、1〜2回の洗口をする。
■6歳になれば
6歳になれば自分で歯ブラシにフッ化物配合は磨き剤をつけて自分で磨く。
◇歯磨剤量はエンドウ豆(0.25g)より多くする。(図−C)
◇歯磨剤のフッ化物濃度は1.000ppmに近いものを選択する。
◇歯磨終了後は15〜20ml程度の水を口に含み、1〜3回の洗口をする。
■12歳になれば
12歳以上になれば(成人も含めて)0.5g以上のフッ化物配合歯磨剤使用する (図−D)。
◇歯磨き終了後は20〜25ml程度の水を口に含み、1〜3回の洗口をする。
◇歯根部が露出している場合は、研磨剤が配合されていない、あるいは低研磨性のフッ化物配合歯磨剤を奨めるとよい。
◇これらの他は6歳以上の児と同様とする。 |
 |
|
図 年齢に応じたフッ化物配合歯磨剤の目安量
(下からA,B,C,D)
A: |
仕上げ用ブラシ(3歳まで)
練り状歯磨剤0.06g |
B: |
乳歯列用歯ブラシ(4,5歳用)
練り状歯磨剤0.25g(エンドウ豆大) |
C: |
混合歯列用歯ブラシ(小学生用)
練り状歯磨剤0.3g(Bより少なく見えるが、歯磨剤の保形性がよいため高く盛り上がっている) |
D: |
永久歯列用歯ブラシ(成人用)
練り状歯磨剤0.5g |
|
■一般的な使用方法の奨め
◇自分の歯を保有するすべての人は1日に2回以上フッ化物配合歯磨剤を使用する。
◇就寝前の歯磨はフッ化物配合歯磨剤を使用してできるだけ就寝直前に行う。
◇就寝直前に使用できない、または歯磨剤を使用したくない (使用しづらい)人は、ダブルブラッシングが奨められる。
◇6歳以上になれば、フッ化物濃度が1.000ppmに近い歯磨剤にて、次のような手順でフッ化物配合歯磨剤を使用する。
(1) |
適量 (年齢に応じたサイズの歯ブラシ刷毛部長さの1/2以上)の歯磨剤を歯ブラシにとり歯面全体に広げる。 |
(2) |
歯みがきを開始し、途中での歯磨剤と唾液の懸濁物の吐出は最小限にする。 |
(3) |
歯みがきが終了したら少量の水(10〜25ml)を口に含み3〜4秒間の洗口を1〜3回行う。 |
(4) |
終了後は2時間程度飲食を控える。 |
|